すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
大橋 禅太郎
大和書房
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著者がシリコンバレーで企業し、再チャレンジで起業した会社がいまひとつうまくいかなくなったとき、マネジメントコーチから伝授されたすごい会議の進め方が体験談ベースで書かれた本。このコーチングを受けた会社は、成果が出やすくなるらしい。

この本には、著者が受けたコーチングで用いたツール(といっても会議で用いる紙のフォーマットのこと)がすべて掲載されているし、おそらくこの「すごい会議」の肝も隠さず書かれているのだろう。だが、「すごい会議」なぜが有効なのかという洞察は一切ない。ただ、それらのツールを使って、何が可能になったのか、それをまとめているだけだ。だから、変わろうと思うなら、読者は信じてやってみるより仕方がない。著者自身にも、論理で効果を説明することはできないのだろう。序文で、「ラフな文章」と卑下しているが、おそらく文章の問題ではなく、言葉では伝えられない部分が「すごい会議」の真髄なのだ。そして、それはコーチングによって、経験することを通じて伝えることが可能なものなのだ。

そういう意味で、この本は「すごい会議」のやり方の本ではなく、コーチングのすごさを伝える本のような気がする。

ちなみに、この本に「すごい会議」のすべてを書いたとしても、著者は食いっぱぐれない。むしろ、この本を通じて「すごい会議」を知る人々が増えて、コーチングを受けたい人が増えるだけである。まさにコンサル業。うまいなあ。

2章までは、著者が新卒で入社した石油会社や、その後日本国内でのPC販売や、シリコンバレーでの起業の話など、ギラギラしていて、その一方で、さらっと書いてあるが相当なストレスがあったであろう資金の調達の話などは、とても刺激が強い。

最後に、コーチングを受けることはたぶんないだろう自分としては、「すごい会議」のメソッドを、できることから取り入れていきたいが、そのためのメモを残しておく。

・書いてから発表する。人の意見に左右されない

-本音を書く

-書いたことを変えずに読む

・「どのようにすれば」の形に置き換えてみよう。

・言えない問題、自分のひどい真実(現実)を見つける

あと、人にもオンタイムを守らせるいい方法があったら知りたい。