マクスウェルの魔

マクスウェルの魔―古典物理の世界
戸田 盛和
岩波書店
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万有引力、力学の解説はわかりやすい。続く熱力学がやっぱりわからない。熱力学第二法則の説明が、法則ありきな説明になってないだろうか?つまり、熱力学第二法則がみつかった、あるいは正しさが証明された過程よりも先に、この法則があるので、こう考えるとつじつま合うでしょ?というような流れになっていて、いまひとつ正しさを納得したといえない。ちょっと斜め読みの角度がきつかった?

もっと気になるのは「負のエントロピー」について。熱力学第二法則からは、ほかに影響を与えることなくエントロピーが小さくなる方向には進まない、ということになる。そこまではいいとして、じゃあ何で、エントロピーが小さい生物という存在が生まれてくるのか、という問いに対して、エントロピーが極めて小さい太陽が影響していると述べている。わからない。太陽のエントロピーがとても小さいことはわからなくはない。でも、負の値ではないのでは?エントロピーの定義によれば、値は常に正である。

このように、後半はすこしたとえに飛躍が大きすぎる。素人向けにわかりやすく、は結構だが、誤解を招いたり、説明している範囲内で奇妙な点が残るところがよくない。あまりお勧めでない。

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