ねじとねじ回し-この千年で最高の発明をめぐる物語

ねじとねじ回し-この千年で最高の発明をめぐる物語
ヴィトルト・リプチンスキ
早川書房
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『「旋盤の技法」の著者シャルル・プリュミエ神父は次のように述べている。「この芸術は、今日のヨーロッパで知的な人々が熱心に行う趣味として確立されている。純然たる気晴らしと知的娯楽の間に位置するものとして、時間をもてあますことで生じる不都合を避けるための最高の暇つぶしと考え、真剣に取り組む人々もいる」』

この文章を見つけただけで、この本を読んだ甲斐があった。ねじを作ることが、貴族にとって趣味・娯楽で、一方でまじめに産業として取り組んでた人もいた。笑ってしまいそうだが、戦争とスポーツもそういう関係で捉えることもできるし。暇つぶしを、プリュミエ神父のように正面きって肯定的に捕らえ、過不足ない説明をした文章も面白いと思った。