脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)

に次ぐ第三部では(ただし第二部は未読)、昨今の格差社会やらメガコンペティションの時代には、これがあせってばかりで脳が効率よく働かないうえにストレスばかりたまるという悪循環を断ち切る上で、「待つ」ことが大切、というのが著者からのメッセージのようだ。

そういう状況に陥っている人って、確か、特に若い人たちの中にいる(極端な一事例があるだけか?)。ある意味気の毒。一方で自業自得。

もちろん、自分も含め、時に難しいことばかり考えて、手が動かない場合があるのだが、年の功で長くても数日でそこからは脱却できる。そういう時は決まって、この本に書いてあるような、

・五歩先の一歩を踏み出す

・短時間で終わることのできる仕事をやる

・タスクを書き出し、やるべきこと、やらないことに分ける

などのことをやっている。スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術にあることとあまり違わない。どちらの主張がオリジナルということではなく、これらの本に書かれている誰もが経験的に正しいと思うことは、脳科学や認知科学等の立場から説明できる、ということ。

だが、この本の末尾のことについては、まだうまく実践できるには至らない。それは感情のコントロールなのだが、ポイントは、

・感情そのものはコントロールができない。その代わりに次の対処を行うしかない。

 -感情を発生させる刺激を量的にコントロールする。

 -脳に入力された情報(=記憶)の解釈を変える。

たとえば、日常的な例として、満員電車でいらいらするなら、

 ・すいている車両を選ぶ、すいている時間を選ぶ

 ・やかましい酔っ払いがいても、飲まずにいられないことがあったのかもしれないと解釈する

ということか。刺激が急激に降りかかるものでないなら、ある程度対処は可能だが、急に降りかかる災難に対しては、なかなかそうはいかない。まあ、修行が足らんのかもしれない。

たまに、こういう本を読んで、日ごろの自分を振り返るのはまあよい。でも、もうこの領域の本を読むのは十分。結局、いくら読んでも、それで成功するのではなくて、地道に脳を使うのがよいという結論なのだから。

関連:

フリーズする脳

スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術