お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践

これからの時代、あらゆる人に金融リテラシーが必要。7つのリテラシーを定義し、代表的あるいは近年注目された金融商品を例に、金融商品のコスト、リスクを解説する。応用力は、紹介書籍やURLを活用し、継続的に勉

強することで養っていくしかない。安直な金融ノウハウ本より、知識、勉強が足りないと言っているのは良心的といえるかもしれない。

金融において「ただ飯はない」ことを繰り返し主張している。すこし意味が違うかもしれないが、投信手数料も会社四季報等で自習することを考えれば、専門家の知識を活用できるし高いとはいえない。自身の知識と判断が備わってからでなければ投資を始められないのでは敷居が高いが、本書では、素人が大怪我しないくらいの、シンプルな分散投資のモデルを示している。これを始めてから、ながら勉強するのがよい。自分のお金を投資している以上、いやでも勉強するだろう。学習効果はこちらのほうが高い。

他には、毎月いくらの積み立てで、どれくらい資産形成できるのか、モデルを2つ示している。これもイメージがわきやすくてよい。「リテラシー」と銘打つだけあり、最後の章では社会責任投資(Socially Responsible Investment:SRI)や、高校までの金融教育にもページを割いている。金融教育に関しては、消費者金融利用者の予備軍を増やすだけだという批判を聞いたことがあるが、先に教員が正しい知識を身につけることが必要だと思う。なぜなら、専門家(金融実務に携わる者)が教育したのでは、公平さを欠き、前述の批判は免れないからである。

URL

http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

 金利イールドカーブ

http://www.bk.mufg.jp/cdocs/list_j/kinri/yokin_kinri.htm

 定期預金の金利三菱東京UFJ)。他の各銀行ホームページも参照

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/index.html

 国債金利財務省

http://www.click365.jp/

 くりっく365(FX)。FXは外貨投信の代替商品

http://www.skkc.jp/trust/index.html

 「投資信託の基礎」

http://www.skkc.jp/qa/trust/index.html

 「もっと知りたい!Q&A投資信託

http://www.waseda.jp/wnfs/kids/index.html

 「キッズ・マーケットキャンプ」

http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/index.htm

 「貨幣博物館

http://www3.boj.or.jp/kids/

 「にちぎんキッズ」

http://www.tse.or.jp

 「東京証券取引所

http://www.tse.or.jp/kids/index.html

 「東証ティーンズ・スクールシェア先生の経済教室」

書籍

・「リスク 神々への反逆(上下)」

 (ピーター・バーンスタイン日経ビジネス人文庫、2001)

・「10万円から始める投資信託入門 初心者のための買い方・売り方ガイド」

 (稲葉精三、日本経済新聞社、2004)

・「ウォール街のランダムウォーカー 株式投資の不滅の真理」

 (バートマン マルキール日本経済新聞社、2007)←なぜインデックス答申が効率がよいかの理論的背景

・「知っておきたい外貨・FXの常識」

 (大竹のり子、西東社、2007)

・「株式投資の未来」

 (ジェレミー・シーゲル、日経BP社、2005)

・「敗者のゲーム」

 (チャールズ・エリス、日経新聞社、2003)

・「(新)賢明なる投資家(上下)」

 (ベンジャミン・グレアム、パンローリング、2005)

・「投資の科学」

 (マイケル・J・モープッシン、日経BP社、2007)

・「ソロスの錬金術

 (ジョージ・ソロス、総合法令出版、1996)

・「根拠なき熱狂」

 (ロバート・J・シラー、ダイヤモンド社、2001)

・「行動ファイナンス」

 (ヨアヒム・ゴールドベルグ、リュディガー・フォン・ニーチュ、ダイヤモンド、2002)

・「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」

 (ジム・クレイマー、日本経済新聞社、2006)

・「投資の4つ黄金則」

 (ウィリアム・バーンスタインソフトバンククリエイティブ、2003)

・「SRI社会的責任投資入門」

 (谷本寛治編著、日本経済新聞社、2003)

そのほかメモ:

・401k。確定拠出型年金(⇔確定給付型年金)。2012年に適格退職年金制度がなくなるに伴い普及の見込み

・リスクフリーレート。主に国債のリターンから算出

・リスクプレミアム。(リスク商品のリターン)-(リスクフリー商品のリターン)

・最低でも半年、できれば2~3年は無収入でも家族が今までどおり生活できるくらいの資産を蓄える必要がある。

・株は毎日数%変動するのが通常なので、あまりその結果に一喜一憂するよりは、十分に分散投資をして株式を買った後、市価をあまり見ないようにすることもテクニックとしては有効。

流動性:市場であまり流通していない債券や株式を買ってしまうと、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないという事態が生じる。

国債は定期預金と異なり、途中で解約すると元本割れリスクがある

・人気のない地域に新築マンションを飼ってしまった人は、売却を試みるのもひとつの方法。

・じゃんけん理論。

投資信託による分散投資のように、リスクがある程度適切に管理されている場合には、値上がりしたものは機械的に減らし、その分を値下がりしたものにまわしたほうが、リターンが安定する傾向にある。このようなりバランスを考慮すると、投資信託はノーロード型が好ましい。

シャープレシオ。リスク計量方法の一例。高いほどリスクリターンがよく、1を超えるものはそこそこ優秀。

 シャープレシオ=その資産のリターン-リスクフリーレート÷その資産の標準偏差

金融リテラシーを身に着けるための10のステップ

1.リスク資産への投資の意思を固める

2.リスク資産に投資する予算とゴールを決める

3.証券会社に口座を開く

4.インデックス型の投資信託の積み立て投資を始める

5.数ヶ月から半年、「ながら勉強」で基礎を固める

6.ボーナスが入ったら、アクティブ型の投資信託にチャレンジ

7.リスクマネジメントを学ぶ

8.リターンが安定したら、投資信託以外の商品にチャレンジ

9.応用的な勉強に少しずつチャレンジ

10.金融資産構成のりバランスの習慣をつける