不都合な真実

不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2007/07/06)
売り上げランキング: 225

アル・ゴア著。2007年上半期に書籍のほうも日本でもベストセラーになったと。これも多摩映画祭で見た。

アル・ゴアによるスライド講演形式で、地球温暖化に関して幅広い視点で、この機器が現実のものであることを伝え、このままなら近い将来どうなるのか、それはどれくらい確かなのか、そして終わりの部分では、では何をすべきなのかをとてもわかりやすく話している。ぜひ、多くの人に一度見てもらいたい映画である。

この映画を見て、地球温暖化について、いろいろ疑問に思っていたことがすっきりした。一例を挙げると、地球温暖化は科学者の合意した事実ではないというが、目に見える変化が見えるようになっていてさえ、なぜそういう考えの科学者がいるのかという点。答えは、地球温暖化に関する論文の中で、地球温暖化を否定したものは1つもないということ。それならば、否定派の論文が1つもないにもかかわらず、前述のようなことが、一般に言われているかのように報道等で伝えられているのか。だまされた、ブッシュめ、と思った。

地球温暖化を避けるために何をすればよいか、については、経済発展と温暖化回避は両立できるとしている。この見積もりは若干甘いのではないかとも思ったが、この計算が事実だとすると、要するに現状はジャブジャブにエネルギーを使いすぎている、ということではないのか。現実的な施策が実行できたとすると、近い将来、1970年代(1990年代だったかも)のレベルまでCO2排出量を低減できるらしい。とりあえず、トイレの蓋は閉めるとか、細かい省電力などやろうと思った。

アル・ゴアという人物については、20世紀末の大統領選で、フロリダにおける票の再集計というみっともない場面が全世界に流れたが、あのときの最後に当選したブッシュ大統領の対立候補。あのときのあの人だったのか。まあ、片側の意見ばかり鵜呑みにするわけにはいかないが、いかにも逆転勝利したブッシュは怪しい。学生時代から地球環境問題を専攻していたらしい。息子の事故をきっかけに、環境問題を政治家としてのライフワークと定め、今に至るらしい。

講演は深刻な内容ながら、ユーモアや皮肉を交えて、しかも主張が研ぎ澄まされてシンプルでわかりやすい。