TurboGears×Python (LLフレームワークBOOKS # 1)

TurboGears×Python (LLフレームワークBOOKS # 1)
柴田 淳
技術評論社 (2007/03)
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Ruby on Railsが流行った頃、実際に短時間で簡単なサイトを作るビデオによるデモを見たときには、コマンドを実行すると雛形が作られて、それを適宜カスタマイズして、というふうに見えたので、結局型にはまったものしかできないだろうと思った。Rubyは詳しくないので、どの程度カスタマイズで、どの程度きちんとフレームワークかされているのか、正確に判断できなかったという面があったと思う。Pythonはよく知っているので、もしPythonに同じようなものがあったら、と思っていた。

PythonにはZopeがあったので、Railsのようなツールの決定版の出現が遅れたらしいのだが、どうやらTurboGearsが制したようなので、仕事との絡みもあって調べてみるのに、この本を利用した。本の感想の前にTurboGearsの感想を述べると、これはイイ!tg-adminコマンドで雛形を作るあたりは、Railsなどと同様だが、作られる雛形は、SQLObject(M), Kid(V), CherryPy(C)を組み合わせたものになっていて、TurboGears固有のお作法を押し付けられる、ということがほとんどない。つまり、カスタマイズの範囲は、前述の3つのライブラリを最大限に生かせる。さらに、たとえばSQLObjectの代わりにSQLAlchemyを使うといったようなことも可能。フォームの作成はTurboGearsがあらかじめ用意したWidget群を使えば、Ajax対応のCoolなLook&Feelも思いのまま、という具合なのだ。

で、本のほうの感想は、TurboGearsをとりあえず使いはじめてみる、という目的ならばまあまあよい。はじめから終わりまで読んではいけない。1,3,4章だけ読んで、あとはturbogears.orgへ。5章は使えない。サンプルソースがダウンロードできるものの、例として完結していない。ページ数の問題なのか知らないが、これでは読めない。ないほうがいいくらいだ。