モンテ・クリスト

モンテ・クリスト-巌窟王-
ポニーキャニオン (2004/03/03)
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テレビ放送を録画してみた。以前、ブラッド・ピットらが主演する「スリーパーズ

」を見たとき、主人公が少年院入所中に、教師から「モンテクリスト伯」について、どの場面が好きかと問われ、「脱獄をあきらめないところ」と答えるシーンがあった。それで興味を持った。

発見1:モンテクリスト伯って、巌窟王のことだったのね。

小学生の頃は、ほとんど読書しませんでした。それで今頃気づきました。

発見2:主演のジム・カヴィーゼルは、メル・ギブソン監督・主演の「パッション

」にも出演?

ということらしい。「パッション」は見たけど、痛々しいばかりだった。どこに出ていたのかなあ。

発見3:舞台はマルセイユ

昨年のちょうど今頃、マルセイユに行った(仕事で)。仕事の合間になんとか3時間ほど確保できたので、マルセイユの町を散歩した。ファロ宮(ナポレオン3世の別荘)、サン・ニコラ要塞を見た後、ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂へ徒歩(バスで行くよな、普通)で上った。そこから、霞む地中海越しにイフ島が見えたのだが、このあたりがちょうど「巌窟王」の舞台だったようである。撮影は当然かもしれないがロケではなく、スタジオ内のセットかほかの場所だと思われるが、ちょっと親近感を感じた。

そして映画はどうだったかというと、よくできていたんじゃないかなあと思う。「原作をよむべし」という書評は酷なもので、大抵の名作の映画化はそういう憂き目を見る。その観点を割り引いた、原作を知らない人の感想というのが、巌窟王ほどの著作においてどれほど珍しいのかどうかはともかく、映画化に対してニュートラルな視点から見れば、十分良品といえた。行ったことのある地所が舞台という、別なバイアスがかかっているかもしれないが。

2002年の作品、ということだが、印象としては、1980年代くらいの映画の作り方に見えた。エンターテイメントを期待する人には、お勧めできないかも。