統計・確率の意味がわかる―数学の風景が見える

統計・確率の意味がわかる―数学の風景が見える
野崎 昭弘 伊藤 潤一 何森 仁 小沢 健一
ベレ出版
売り上げランキング: 142,227

理系の高校生から学部生レベルの確率・統計の教科書。例題ベースで具体的な値を用いた問題の解き方をトピックごとに解説する形式。確率統計の数学は、高校生がそれまでに習う数学と雰囲気が違うせいか、厳密な議論をするために変数を含んだ式を持ち出すとわかりづらいこともあるかも。特に考え方を身につけ、意味がわかるようになるまでは。まずそういう人たちにはお勧め。

また、試験問題を解く立場の受験生にも、例題ベースで、解法だけでなく理屈もまとめて1冊にしてある本なので、使い勝手がいいと思う。受験生だった頃は、理解をまとめるためにノートを作ったりしたものだが、この本の内容はまさにそのとき作ろうとしていたノートのようなもの。網羅している範囲や解説の深さも過不足ないだろう。

最後に、かつて理系の学生だった大人にもお勧め。専門外のことは長らく離れていると忘れてしまうもの。なのに急に昔の知識が必要になることもある。そんなとき、厳密な数学書をひっぱりだすよりも、考え方を思い出すきっかけになる本が役に立つ。昔きちんと理解していたことなら、きっかけが得られることで、深い理解も思い出すことができるだろう。

この本を見つけたのは、ちょうどそんなときに、近くに図書館がなくて書店で何でもいいからわかりやすそうな確率・統計の本を見つけようとしていたときだった。大きめだけど所詮町の本屋では望み薄だと思っていたのだが、思いがけずいい本に出会えた。

#でも実は買ってはいません。ごめんなさい。