フェンダー・ストラトキャスター・ストーリー
東亜音楽社
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夏に実家に帰省して、昔愛用していたギターを自宅に持ち帰ってきた。ほったらかしにしていたのに、ちゃんと使えた。
そのギターはストラトキャスターじゃないんだけど、この本、図書館で見かけてなんとなく借りてみた。が、これが結構当たり。ストラトキャスターについて、いろいろ誤解をしていた。
僕がギターをやっていたときは、根強いストラトキャスター人気は当然あったのだが、クレイマーなんかが人気があった(私の周りだけだったかもしれないが)。で、ストラトに対する私のイメージは、古臭い、というものだったのだが、イングヴァイ・マルムスティーンがストラトを愛用していて、サウンドと不釣合いな感じがしていた。それに、ソリッドボディのギターなんて、所詮量産品じゃないか(実際そういう面もあるのだけど)と思っていたので、古いストラトに価値があるとは思えなかった。
しかし、ストラトキャスターに歴史あり、ギターリストに歴史あり。ストラトキャスターはロックの歴史に欠かせないのである。それは周知のところだろうが、フェンダーも起業から順調に成長したわけではなく、CBSに買収されたおかげで品質が落ちて悪評が立ったり、その復興に日本の楽器メーカーが一役買ったり、しかもこの低迷は、ストラトが芸術品ではなく、工業製品を目指したがゆえの宿命だともいえたりと。いまや逆にストラトの歴史がロックの歴史の一部ともなって、工業製品としては異例な、ヴィンテージ品としての価値観まである。品がヴィンテージなのである。それを有名なギタリストが使ったからヴィンテージになったのではない点は驚き。とにかくロックを愛するものにとっては涙ものである。