国家の品格

国家の品格
国家の品格
posted with amazlet on 06.05.18
藤原 正彦
新潮社 (2005/11)

論理偏重を蔑み、情緒や形を重んじることによって国家の品格=国柄を取り戻せと言う啓蒙書。グローバリゼーションに困惑する世界を救うためには、まずは日本が品格を回復し、「異常な国」として尊敬されるようにならなければならない。

論理が専門の著者が、武士道という道徳や精神のカテゴリに属するものを論じるという逆説がありながら、しかも内容は論理で構成されているという、あざやかに二重の逆説で成り立っているという珍しい本。道徳や精神を、理屈抜きに押し付ける以外の方法で(これなら親ならばできる)、本として成立させるには、こういう方法しかない。数学者でなくてはなしえない。

日本には品格のかけらも残っていないと思わせる事件が相次ぐ。もう数学者くらいしか、こういうことを胸張っていえる人がいないのだ。昔は、貧乏かどうかに関係なく、品格や美意識を持っていたというのだが。私はリアルタイムにそれを実感できなかった世代だが、そのころよりももっとお下劣な日本になっていることは疑いない。

日本人ならみな読むべし。背筋が伸びたような気がします。

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