ふりむかない男―アルド・ナリスの事件簿 2

アルド・ナリスが探偵する外伝の第2弾。ちなみに第1弾は「消えた女官」。

作者が作り上げた世界のなかで、探偵小説を作るということは、なんだか相手方が勝手にルール変更可能なゲームに入り込んだような感じ。探偵小説には謎解きにおいて多かれ少なかれ蓋然性を持ち出し、読者をミスリードする部分があると思うのだが、SFの世界の中では「こうなるはずだよね」といわれても、へえ、そんなもんですか、と受け入れるしかない。つまり、読者がこの本を探偵小説だと思ったときにはフェアなゲームにはなりえない。だから、これは探偵小説のようで、まったくそうではありません。

まー、グインの読者なら勘弁してくれるでしょう。また、探偵小説としてムキになって謎解きする読者もいないでしょうから罪はないですけど。