「できる人」はどこがちがうのか

「できる人」はどこがちがうのか
斎藤 孝
筑摩書房 (2001/07)
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先の読めない世の中、どんな能力が身を助けるのか。この本では、自信を失いがちな日本にあって、いかに自己実現するのか。この問題に対し、著者は達成感をひとつのよりどころとして、それを得るための上達論を展開する。変化の激しい世の中にあって、業界、業種に左右されない上達のコツとは何なのか。この本の内容は、おそらく誰にとっても実感できる。なぜなら、誰でも過去に一度は自分の体で成功を体験したことがあるはずだからだ。

この本には何も目新しいノウハウが詰まっているわけではない。読むという身体的経験によって、かつての成功体験を技化するのだ。かつてうまくいっていた人なら、この本は昔なんでもできると信じていたころに戻るきっかけになるだろう。

ちょっとあざといタイトルだが、中身はまじめな上達論で巷にあるビジネス本とは一線を画す。斉藤孝氏は他にも「質問力」、「段取り力」などを著している。「できる人…」で述べられている「まねる力」とあわせ、3つの力は現代を生き抜く一貫した力の体系をなしているという。「質問力」はもう読んだので、「段取り力」もぜひ読んでみたい。